前回プロ野球のドラフト制度について解説して、今回本番の仮想都市編になります。
前回は上級公務員の人事という風に紹介したんですが、もしかしたら人事というより事実上の選挙制度改革と言った方がいいかもしれません。
市政草案としてのドラフト会議
ドラフト制度ですからドラフト会議をやるわけですが、まずは「誰が」「いつ」「何について」のドラフト会議をやるのか見ていきましょう。
- 誰が・・・市議会議員
- いつ・・・市議会議員選挙後、所謂国会で言うところの特別国会のタイミング
- 何について・・・↓の図を参考にすれば主に局長職と部長職の人事をドラフト会議で決めることになります、、、が、仮想都市の自治体組織図自体もこれから大幅に変わっていると思われるので、あくまで地位的にそれぐらいの役職という意味での参考程度。

draftには草案とか下書きという意味もあります。
なので選挙後に議員全員が集まって、それぞれが政治家として任期中に何をしたいのか、どういう青写真を描いているのか、それを実現するためには誰をどの部署に配置するのがいいか、を話し合うのがドラフト会議になります。
志望届と指名拒否権
プロ野球のドラフト会議がプロ志望届というのを出した選手の中から選ぶ仕組みになっているので、公務員ドラフト会議でも同じように志望届を提出してもらってその中から選ぶ仕組みにしましょう。
志望届は基本的に公務員でなくても誰でも出せるようにします。
まぁ市民に限定するか外部の人間も招へい出来るようにするかは議論の余地ありってところですかね。
プロ野球と違う点はプロ野球の場合は12球団OKという姿勢が基本なのに対して公務員ドラフトは自分の希望役職も最初から書いている点です。
あとは自分の希望以外の役職でも選ばれる可能性があるということと、指名されても拒否権もあるということ、この辺は同じですね。
たとえ第一希望の役職で選出されたとしても拒否できるようにはしとかないとね。
ドラフト会議の流れ
公務員ドラフト会議では先程の図を参考にすると主に局長職と部長職が選出されるわけですが、最初の会議でまず局長級が選出され、次の会議で部長級が選出されます。
分ける理由は部長職の直属の上司である局長が部長職のドラフト会議に参加出来るようにするためですね。
それで局長職のドラフトですが、まず、局の数と議員の数を同数にして、議員一人一人にそれぞれ一枠ずつ指名できる権利を与えます。
そして各議員はそれぞれ自分が選びたい局の局長を選ぶわけですが、当然皆それぞれ都合よくばらけるなんてことはなく、人気の局長職や人を複数の議員が取り合うことになります。
指名が被るパターンは次の3パターンです。
- 指名したい役職が被り人は被らないパターン
- 指名したい人が被り役職は被らないパターン
- 指名したい役職も人も被っているパターン
このうち1と2は自分が指名したいパターンになり、3は自分の指名権を温存したいパターンになりますから、同じように対応するわけにはいきません。
というわけで指名が被った場合、1の場合は議員同士での投票(この投票の詳細は後述)、2の場合は志望届記載の第一希望役職が優先されますが希望役職での指名がなく他で被っているという場合は投票、3も投票になりますがこの場合は投票で支持された方が指名権を温存できるシステムにします。
指名の結果交渉権を獲得したら本人に挨拶をしに行くのですが、その時拒否される可能性を鑑みて第三候補ぐらいまでは会議で決めておいた方がいいでしょうね。
まぁプロ野球のドラフトと同様予め指名するかどうかで本人と話し合っておくのがベターだとは思います。
ドラフト会議の投票システム
実はこの指名が被った場合の投票システムで納得いくのが思い浮かばなくて、より上手いやり方を思いついたら上書き編集するつもりです。
この投票システムでやりたいことは、分かりやすく言えば人数の少ない弱い政党にも勝てるチャンスを与えたいんですよね。
そうなるとプロ野球同様クジ引きということになるんですが、それだと弱い政党に有利過ぎる。
ランダム性は排したいけど、何かしらの勝負をやってそれで決めるというゲーム性は欲しい。
ドラフト会議で議員が演説してその放送をリアルタイムで見てる視聴者市民でネット投票、みたいなノリが出来ればいいんですが、さすがにちょっと現実的じゃないかなって思います。
さて、それじゃあドラフト会議の指名で被りが出た場合の流れを書いていきましょう。
投票に入る前に2のパターンでの優先権とか整理出来ることはしてしまいましょう。
また、1や3のパターンで被りが出た場合は、まだ誰も指名していない空きの役職もあるということなので、空いている役職への鞍替えも選択肢としてアリです。
ドラフト会議ではドラフト2位よりも1位の方が優先権が高くなっているように、先に選んだ方が優先となります。
なのでこの時点で鞍替えしておけば、投票で負けた後に選ぶよりも先に選べるので、その分有利というわけです。
まぁそんな感じで投票前に話し合って整理して投票になる事態を出来るだけ避けます。
それでも投票になった場合ですが、まず3のパターンの解決は後回しにして1と2のパターンの被りから解決していきます。
役職毎に決選投票のように投票するのではなく、被った分の役職全部一度に投票し、議員の投票権は一票のみとします。
つまり5つの役職で被りが発生したら、議員一人が投票できる先は5か所のうち一か所だけ。
被りが一か所だけの場合は、決選投票と同じような感じになります。
決選投票方式を採用しないのは、そうすると毎回与党が勝ってしまうから。
投票先をばらけさせることで駆け引きの余地が発生し、少数政党が勝つチャンスが発生するというわけです。
そして所謂立候補した人が自分自身に投票した場合(ここでは自己投票と呼びます)については3票分としてカウントします。
こうすることで3のパターンで、例えば同じ役職に同じ人を3人が指名した場合、その3人の自己投票分だけで9票分獲得することが出来ます。
これで仮に与党側の一人だけが別の人を指名していた場合、同点にするだけでも少なくとも6人分の応援が必要になるので厳しいってことです。
指名先を広く薄くばらけさせていたら一点集中に負けてしまうし、逆に一点集中させてしまうとそれ以外の部分で取られてしまう、そういう駆け引きが必要になるわけですね。
投票結果が同数で再投票が必要となった場合、その同数となった分だけで再び同じルールで再投票します。
この場合投票先が更に絞られる形になるのでその分だけ与党有利になりますね。
敗者は敗北が確定した段階で残った枠から再び指名をし、同じタイミングで1か2のパターンでの指名被りがあった場合は再び投票で決めるという流れですね。
それで1と2のパターンの被りがなくなるので、あとは残った3のパターンの被りの整理になります。
誰の指名権を消費するか話し合いで解決できるならそうしてもらって、無理そうなら同じルールで投票し、今度は3のパターンなので役職毎に最下位得票となった者の指名権を消費します。
それで最下位以外の3被り者の指名権が復活するので、その分で残った役職に指名、また被ったら同じ流れで投票となります。
これでようやく全ての役職枠が埋まり、ドラフト終了となりますね。
以降のドラフトでも指名被りが発生したら同じルールで投票していくことになります。
文字だけだと分かりにくいかもしれないので↓で学校のクラスの委員会決めを例にして説明しています。
ただこの図は単純化のため2と3のパターンが排除された説明になっていますのでご了承ください。

部長級ドラフト
部下決めドラフト
局長級のドラフト会議が終わったら次は部長級なのですが、組織図を見ると局の中に部が複数あるのが分かると思います。
そこで各局長は自分の局の半分の部長を選出することが出来、残りの半分は他の局長に選んでもらうというシステムでドラフト会議を行います。
部長級ドラフト会議はまずは局長が自分の部下を選出する分(部下決めドラフト)から先にやるわけですが、この場合指名が被るパターンは先程の1~3のうちの2のパターンだけになります。
なので投票になることはそう多くないでしょう。
ちなみに部署数が10あったらドラフト5位まで指名して部署数3の場合はドラフト2位まで指名という感じです。
ドラフト上位から指名が決定した状態で下位へ進むので、上位で希望以外の部署に選出された場合は下位で希望の部署に選出されることは出来ません。
プロ野球ドラフトで例えると清原と桑田の事例みたいなものですね。
清原はジャイアンツを希望していましたが、ジャイアンツは桑田をドラフト一位で指名したので、ジャイアンツから一位で選ばれなかった清原は一位で選んだライオンズに行かざるを得なかったという話です。
外様(11/24編集)ドラフト
役職決めドラフト
局長が自分の部下の分を選び終わったら、次は残りの半分を選んでいくわけですが、まずは誰がどの役職の部長を選ぶかを決めることから始めます。
なので役職決めドラフトということになりますね。
指名枠数は基本的に「一人当たりの指名枠数=残りの部署数÷議員数」で余りは適当に割り振られる仕組みで、指名枠数によってドラフト何位まで指名するかが決まります。
こちらも指名が被ったら基本投票なのですが、該当部署を所属する局長職を局長級ドラフトの1のパターンで外した人がいる場合は、対立構造を残すためにその人優先になります。
ちょっとややこしい言い回しになったので↓で生徒会長選挙を例にしてこの仕組みを説明しています。

役職決めドラフトが終わったら、決まった役職に部下決めドラフトの時と同じようにドラフトして残った部長枠を埋めていきます。
このドラフトに分かりやすく名前を付けるとしたら「外様ドラフト」(11/24編集)といったところでしょうか。
今回は部長級までの話になりますが、課長級以下の人事も部長級ドラフトと同じように半数を自分で決めて半数を他に(特に対立派閥を優先)決めてもらうやり方を導入した方がいいでしょう。
部下の指名権を半分にする理由
公務員ドラフト自体がそうなのですが、わざわざ自分の組織内に敵対勢力を入れる仕組みになっています。
何故そんなわざわざスパイを入れるような真似をするかというと、憲法15条の2項「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」が関係しています。
日本国憲法にはGHQ草案というのがあるんですが、この「すべて公務員」とかいう言い回しは何か英文直訳臭い感じが残ってますよね。
この「すべて公務員」がall公務員なのかevery公務員なのかで、意味合いが変わってくるんですけど、日本ではこの憲法15条2項の概念が主にevery公務員の意味合いで使われています。
要するに「一公務員は特定の人や団体に肩入れしてはいけない」という意味合いですね。
ちなみにGHQ草案ではall表記です。(↓に英文記載)
- article xiv.
the people are the ultimate arbiters of their government and of the imperial throne. they have the inalienable right to choose their public officials and to dismiss them.
all public officials are servants of the whole community and not of any special groups.
in all elections, secrecy of the ballot shall be kept inviolate, nor shall any voter be answerable, publicly or privately, for the choice he has made.
GHQ草案がall表記なのは当たり前でevery公務員だとまともに仕事出来ないから。
「各公務員が各々で日本全国すべての人のためになる仕事」なんて出来るわけないですからね。
だから「公務員組織全体で日本全国すべての人のためになる仕事をする」という意味合いになるall表記になるわけです。
all公務員で多少マシになるとはいえ「日本全国すべての人のためになる仕事」が難しい事には変わりはないので、採れる方法は多くはありません。
なので基本的には議会と選挙というシステムを使って権力のバランスを調整しています。
選挙で議員の数が調整されているので、あとは議員それぞれが自分のやりたいように(所属グループのために)動くことで、結果的に議会全体で見たらすべての人のためになる仕事が平等に出来ている状態になるというわけです。
every公務員という間違った存在
その議会の権力バランスを行政の人事に流用したのがこの公務員ドラフト制度になります。
現在の日本のシステムでは上級公務員の人事は法律上形式的には市長に一任されていますが、ここにとある問題があって、それにより市長は実質的に自分で選ぶことが出来ない状態になっています。
そのとある問題とは市長に職員の仕事ぶりを教えることが出来ないということです。
市長は大体市役所の外部から選出されるから、そこの職員の仕事ぶりなんて分からなくて当然ですし、仮に市役所職員上がりの市長だとしても自分の担当部署以外の人事評価なんて知らないのが普通。
なので市長に人事権があるなら、市長に職員の仕事ぶりを伝えた上で判断してもらう必要があるのですが、ここでもevery公務員の弊害が出てきます。
要するに人事権を持っている人に「誰それのアレコレが良い」って情報を伝えることが「特定の個人に肩入れしている」って判断されちゃうわけです。
そしてその結果どうなるかというと、能力のない市長に代わって人事権を掌握しようとする邪悪な人間が重用されることになります。
every公務員という常識に支配された真面目な公務員は遵法精神が高いので特定の個人に肩入れしないように人事面で消極的になる一方、遵法精神の低い不良職員は自分にとって都合のいい人事とはいえ積極的に進言するわけですから、人事において仕事をするのはどっちかっていったらそら不良よ。
なのでこれまでの日本の公務員の人事においては邪悪な人間の方が出世しやすく、これまでずっと邪悪な人間が実権を握ってきました。
そんで兵庫県問題とかで県議とか天下りOBとか反知事派職員とか既得権を守るために往生際悪く醜い醜態を晒しまくって迷惑かけまくってるわけじゃないですか。
彼らは基本能力が低くて実力でその地位を手に入れたわけじゃないから、一度手放したら二度と戻ってこれないことを自覚しているので、どんなに惨めだろうと既得権には命がけで全力でしがみつくんですね。
そういう人達が分不相応な出世をする仕組みというのはやっぱり問題なわけでして、だからevery公務員という間違った常識で優秀な人にデバフ掛かってる現状からさっさと目を覚まさせてやる必要があるのです。
それがこの公務員ドラフト制度を導入する理由ですね。
今回はここまでにしましょう。
次回はこの公務員ドラフト制度の更なる波及効果について見ていこうと思います。

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