ドラフト制度のメリットと導入への障害

前回紹介した公務員ドラフトですが、メリットは前回述べただけにとどまりません。
他にもいくつかメリットがあるので今回はそれを見ていきましょう

情報を公開することによって起こる類のメリット

公務員ドラフト会議だと上級公務員の採用理由が明快になります。
ドラフト会議という注目度の高いイベントで各議員が「この役職に何故この人が必要なのか」という主張をお互いにぶつけ合った末に選ばれるわけですから。
これまでは市役所の会議室の中でブラックボックスで決められてきた人事が、全部公開の場で包み隠さず議論され決定されます。
こうやって国民に情報が公開されて初めて「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と言えるわけです。

公務員のプライバシー侵害?志望届を出さなければそもそも議論の対象になりません。
そして志望届が履歴書代わりになり、志望届で自己アピールして初めて採用されるわけですから、ひっそりと平和に暮らしたい方がアイドルとかなっちゃいけないように、上級公務員の採用に必要な自己の情報を隠したい方は志望届を出さないでください、というだけの話ですよね。

無名で有能な若手の政治参加が容易になる

現在の日本のシステムだと公務員は年功序列ですし、選挙に立候補するのに供託金は取られるし、まぁ若いうちからチャレンジしにくい環境ではあると思います。
ですがこのドラフト制度だと志望届は誰でも出せるし、議員のうち一人に認められれば採用されるんで、無名で有能な若手が発掘される確率はかなり高くなると思います。
ドラフトで発掘されて名前を売って仕事で成果を上げれば自然と選挙に出馬する下準備も整っていくというわけです。

議員側としても変な奴を採用したら自身の票に影響するんで真面目に選ぶから、選挙でヤベェ奴が当選する確率と比較したらよっぽど安全ですからね。
特に市議選なんて現状は大選挙区制で枠が数十人単位であるから得票率2%とかでも当選できるので、ヤベェ奴が当選する確率はかなり高いんですよね。

だからといって「選挙とかドラフトでヤヴァイ奴が選ばれるぐらいなら密室でまともな人が選ばれる方がいいよ」って思ってる人は、密室で選ばれる公務員のヤバさを知らないだけでは?と思ってしまいます。
いや、筆者も全然知らないんですが、あの県民局長みたいなのを何十年も隠し続けられるシステムになってる時点で密室人事でまともな人が選ばれるわけがない。
情報が隠された状態だと中身はいくらでも腐っていきます。
議員のヤバさはまだ公表できるヤバさだけど、密室人事の公務員のヤバさは公表出来ないヤバさって時点で五十歩百歩とかじゃなく圧倒的に密室選出の公務員の方がヤバいって分かりますね。

都市の運営が同一の指標で評価されることで都市毎の競争が生まれる

公務員ドラフト制度というのは当然全国の都市に同じように導入されます。
統一されたシステムで運営され評価されるので他の都市の同じ部署と比べることが出来るようになりますし、比べさせます。
これまではそれが出来なかった、だって自分と関係ない人に自分の成績を見られたくないですから、そうなると組織的にプライバシー保護という方向に進んで自分の直属の上司しか自分の成績を見られないようになっていくんですね。

何をもって評価するのかというと、公務員が仕事をしてアウトプットとして出てきたものは全部評価の対象になります。
所謂「公用PCの中身が公開出来ないのはおかしい」ってやつですね。
まぁ原則全てのアウトプット情報が見れるとはいえ同じドラフト仲間の野球には打率とかホームランとか防御率とか分かりやすい指標があるので、公務員の評価にもそういう一般人にも分かりやすい指標を用意したいところです。
ぱっと考え付くのはやっぱり収支関連の指標になりますかね。
公の業務だから利益を追求するわけじゃないという言い訳もあると思いますが、だからといって他地域との比較或いは前年との比較で無駄遣いが増えてもいいというわけでもないので、そのあたりを偏差値みたいな一般に馴染みのある形にして出せたらいいかなと思います。

都市毎の競争を求めるのは、筆者的には地方自治体含め国家で運営する組織の殆どを税金で運用する気がないからです。
まぁこの辺は次の次ぐらいの話のテーマになるんでここでは簡単に済ませますが、お金が欲しければ自分で稼ぐのが当たり前で、税金で事業をするってのは不自然なこと。
防衛・治安・道路交通関連なんかは税金との相性が良いのでそこは税金を使っていいんですけど、それ以外の特に福祉系の事業とかは受益者負担の原則が適用され税金は投入されません。
そもそもこの仮想都市計画はコンパクトシティってことで田舎から都会に移住してもらってるわけですから、採算の取れない=公共性の低い事業を税金使ってやるなんてとても認められないんですよね。

非常時に強い組織作り

情報公開による若手の抜擢とか競争意識の植え付けとかって、割と民間企業によく見られる論理だと思われます。
だからドラフトよりもそういうのを参考にした方が上手くいくんじゃないか?っていう意見もあるかもしれません。
しかし、国家には実は非常時に対する備えという役割があって、むしろこっちが国家という組織の本文になります。
逆に民間企業というのは非常時には機能が停止するのが当たり前で、その前提でシステムが作られているので、民間企業のやり方をそのまま公務員に適用することは出来ないんですよね。

多様な人材の登用wで非常時に強くなる

一応ここで言ってる非常時=戦争状態という認識でOKです。
勿論地震とかの災害時も非常時と言えますが、日本の場合は地震やら台風やらへの対策は既に出来ていてルーチン化していると言っていいでしょう。
だから地震に関しては被害は甚大だが不測の事態とは言い難く、本当に非常時と言えるのは戦争状態ぐらいしかないかな?ってのが筆者の認識です。
まぁだからといって今の日本政府の非常時対応力が高いかと言ったらそうも言えないわけで、、、熊対策とか新たに発生した問題には全く対処できていないことからも分かるでしょう?

で、前回紹介した部下の構成人員に敵対勢力を混ぜ混ぜするのって、まさにこの非常時対策でもあります。
民間企業ではそんな人事は業務効率とか気にして普通にしませんし、同業他社との競争に勝たなければいけないからそもそも出来ません。
たとえ強制的にやらせたとしてもそれは形だけで、敵対してるように見せかけるだけの無意味な対立構造になることは間違いないです。

しかし公務員の場合、彼らの行う事業は基本的に独占状態になります。
何故なら前提として民間でやれない何らかの要素があるから公で扱っているわけで、それなら独占状態になってないとおかしいはずなんですよね。
まぁこれは少なくとも現代の日本でそうなってはいないというのは分かります。
なぜかというと、公と私がきっちり分かれていないからで、私企業の名を被った実質公企業が沢山あります。
そんな名ばかり私企業を公と見なしてしまえば、一応公が独占している状態になるので、ここで言っていることと特に矛盾はしません。
この辺は次のテーマで取り上げる話になるので、ここではこの辺で勘弁してください。

独占状態にあるということは競争がないってことだから、非効率的なシステムもある程度までなら許容されるようになります。
実際に誰のためになるのか分からん業務をこなして生き残ってるゾンビ企業とかNPOとかあったりしますからね。
その余地を利用して本来運営の邪魔になる異物を混入するってわけです。

邪魔者に妨害されても滞りなく業務を遂行できる状態こそが、まさしく非常時に強い状態と言えます。
割と乱暴な例えだとは思いますが、無菌状態で育てられた子供よりバイ菌だらけの公園で遊びまくった子供の方が色々な意味で抵抗力があると言えますよね?そういうのをイメージしてもらったらいいです。

最初は排除→後に労働力として活用し互いに競争し合う関係に

部下に邪魔者が混じっているわけだから、邪魔をされても上手く回るようにシステムを改変する必要が出てきます。
最初はおそらく国会運営のようなシステムが採用されていくでしょう。
国会って野党議員がいなくても与党議員だけで運営できるようになっていますが、ああいうのをイメージしてもらえればいいです。
野党議員にも委員会やら何やらとりあえず仕事を与えているけど、ボイコットだの審議拒否だの他にも何や色々あっても問題なく進行していくわけで、国会議員の仕事って大体そんな感じだから「え?じゃあ、国会議員って別にそんな要らなくない?議員の数減らせよ!」って傍から見たら思われちゃうんですよね。

国会がそんな感じになっているのは、国会の仕事(立法)が独占事業で尚且つ仕事ぶりを客観的に評価する仕組みがないし、そういう情報も公開されないからです。
まぁガーシーが国会に出席しないことで除名とかされてたから、出席すれば試験しなくても単位が貰える大学生ぐらいの意識の高さはあるのかもしれん。
独占事業でまともな組織を作ろうと思ったら、ちゃんと仕事ぶりを評価して組織の内部で競争させる仕組みを作らないといけないんですけど、当然彼らはそんなことはしないわけで、だからああいう感じになっているわけですね。

というわけでここにきてドラフト制度で指標を作って個人を評価し、個人を評価するために都市毎にデータを取って競わせるってのが生きてきます。
最初は敵対勢力には仕事をさせない方式で進めていくわけだけど、余剰人員を使わないってのはやっぱり効率が悪いわけで、他の都市との競争に勝とうと思ったらそいつらも上手く使っていかないといけない。
結果として最終的には敵対勢力を働かせながら監視し、サボったり反逆したらすぐに犯人が分かるようなシステムが導入されるって寸法です。
そうなったら誰が足を引っ張っているか客観的に分かるようになるので、敵対勢力側もある程度真面目に働かざるを得なくなってきます。
むしろ真面目に働いて結果を残すことが自軍の評判に繋がり、それが自軍の勢力拡大に繋がるわけですから、積極的に結果を残そうと努力してくるでしょう。

情報公開が無意味に終わるようなら導入できない

まぁ先程の敵対勢力を監視しながら働かせるってのは、全てが都合よくいけばそうなるって話なんですけど、当然上手くいかないパターンもあります。
それは、ドラフト制度を導入して仕事ぶりが客観的数値で公表されても相変わらずクズ議員が選ばれ続けるパターンですね。
ちゃんと数字が読める人間って意外と少なく、残念ながらそれが現状なので、上手くいかないということは十分にあり得ます。

筆者の体験話で申し訳ないですが、昔地元に帰省した時に、よく家のポストに投函されている「市報」をチラッと見たら何や今の市長になってから市の財政が改善されて借金がなくなったことが書かれてたんで、筆者が「おぉ、今の市長は市の借金なくすとかやるやん」と言ったら「今の市長は何もしないからダメだ!」とかいう反応が返ってきたんですよね。

うちの地元の市は県で二番目の人口規模を持った市で前任の市長は借金沢山作ってる、そして県の財政も借金沢山、県で一番の市も借金沢山、この状態で市の借金返して財政再建したのは優秀以外の何物でもないと思うんだけど、クズ市民はそんな市長を評価しないというね。

ようするに第一印象の好き嫌いだけで判断して、嫌いな人だったらその人がその後何をしようと悪いようにしか解釈しない、そんな人が比率的にどれだけを占めているかでこの制度の成否が決まります。
情報は公開されるべきですが、そんなヤヴァイ人が多数派を占めるような状態だったらいくら情報公開しても無駄ですからね。

なので残念ではありますが、今現在の日本のこの状態でこのドラフト制度を導入することは出来ないでしょう。
何故って、仕事が出来ない奴とか邪魔をする奴に点数をつけて無能さを可視化させて追い出すのが目的の制度なのに、点数付ける前からはっきりわかるぐらいクズムーブし続けている立憲民主党に票が集まり過ぎているからです。
要するに今の制度でもそれなりに情報は公開されているんですが、その情報が生かされていないんですね。

N国とか暴れれば暴れるほど票が減るって散々言われて、実際減りました。
原因は立花の暴走による「なんか怖い」っていうイメージですけど、その辺は情報が生かされていると言えます。
逆に参政党とか暴れてないから、失点し続けている他と比べて票が増える、この辺も情報が生かされていると言えます。
こういう風に情報次第で人気が上下するのが健全です。
仮に一度騙されて間違った相手に投票したとしても、反省して次から選ばなくなりますからね。
そうなるように社会を変えていく必要があります。

となるとやっぱり一億総白痴化の元凶であるマスコミをどうにかしないと前には進めないということになります。
ということで次回のテーマはマスコミ、その中でも主にテレビというシステムを改変する話です。

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